Eurythmie

オイリュトミー版 《日本国憲法を踊る》

2016.4.28
構成・演出
笠井叡
出演
笠井叡 浅見裕子 上村なおか 笠井瑞丈 笠井禮示 鯨井謙太郒 桑原敏郎 小松宏佳 定方まこと 塩月伊作 寺崎礁 野口泉 原仁美
朗唱
天使館フォルト・コース 難波加代子  宮原三千世  清水靖恵  高柳恭子  熊谷由起子  川上晶子  尾崎若菜  濱地真実  原嶋桂子
主催
天使館

2016.4.28 thu 19:30
国分寺市立いずみホール

日本国憲法の淵源を辿ろうとしますと、それはいつしか歴史とカラダの闇の中にまで入り込んでしまうほど、深いものでしょう。「自由・平等・博愛」という、人間の本性を、初めて憲法精神と結びつけたのは、モンテスキュー(1689~1755年)と言われています。モンテスキューが初めて少人数の仲間たちにこれを語って以来、その精神はやがてフランス人権宣言(1789年)や、或いはアメリカ合衆国憲法(1788年)を支えるものとなりました。しかしそこでは自由と平等は人間の権利と結びつき、高らかに謂われましたけど、「博愛」の精神は合衆国憲法にも人権宣言においても、盛り込まれませんでした。なぜなら、「無償で必要なところに必要なものをプレゼントする」という経済生活の根幹である「博愛」(完全な社会保障制度)が、もし憲法化されるならば、戦争など行うことは不可能になります。日本占領下のGHQのメンバーは、このフランスにおいても、アメリカにおいても実現されなかった、完全な理想主義精神を、この日本国憲法の中に実現しようとしました。ですからGHQが日本国憲法を作ったのではなく、それは歴史の地下水として流れている「自由・平等・博愛」の精神を、地上に引き上げるためのポンプの役割を果たしたのです。精神生活における自由と、国家・法生活における平等、経済生活における博愛は、単に社会生活の根幹であるだけでなく、人間のカラダを支える根源の法則であると言えます。今回、オイリュトミー公演において、日本国憲法を取り上げたのは、政治的な衝動からではなく、私たちの方だを支える衝動としてこの憲法を捉え、それを舞台作品として上演したいと思います。内容は、大日本帝国憲法(明治22年)から始まり、フランス人権宣言、古事記冒頭の国産みの神話、天皇による玉音放送を経て、昭和21年公布の日本国憲法にまで、カラダとコトバを通して、表出してみたい、と思います。 笠井叡
(チラシ裏面文章より)